子宮筋腫の検査・診断について
子宮筋腫の検査、診断
今回は、婦人科での検査~診断について書いてみたいと思います。
前回は、不妊の一因となる子宮筋腫の好発部位や原因について書きました
僕のところに不妊鍼灸に来られている方でも、
- 不妊治療のために検査
- 妊娠してからの検診
で初めて子宮筋腫が見つかるケースが多いです。
では、実際のクリニックでは、どのような検査、診断をするのでしょうか?
子宮筋腫の検査について
筋腫の診断は、まず、
- 症状を詳しくきく問診
- カラダの表面から観察する視診
- 皮膚の上からさわる触診
を行ないます。
そのうえで、内診して筋腫の有無を確かめます。
加えて、超音波エコーを用いてより客観的に判断します。
問診・視診・触診
問診
- 月経の量やカタマリ、痛みなどの異常
- めまい・息切れなどの貧血症状
- 腹部の圧迫感や痛みなどの自覚症状
を確認します。
視診
- 貧血の所見(下まぶたの裏の色、心雑音など)
- 出血や帯下の有無(膣鏡にて)
などを診ます。
触診
外診:腹部のしこりや膨隆の有無
内診:子宮の大きさや硬さ、凹凸、しこりの有無
などを診ます。
診断を正確にするための画像診断
問診・視診・触診でえられた診断を確認するために画像診断を行ないます。
内診などで診断に迷った場合にも行ないます。
超音波エコー
- 経腹超音波検査:おなかの皮膚の上から観察
- 経腟超音波検査:膣内にプローブを挿入して観察
CT・MRI
CTよりも、MRIの方が、画像の精度が精密で、筋腫の位置や数、がはっきりとわかります。
ただ、MRI画像を撮る場合、非常に強い磁場の中に入るため、
- 心臓のペースメーカー
- 人工関節
- 刺青、タトゥを入れている
場合は、検査できない事があります。
また、CTは放射線被曝のリスクもあります。
この他に、胃カメラと同じようなファイバースコープを入れて、子宮腔内を直接観察する検査などがあります。
血液検査・細胞診、組織診
過多月経による鉄欠乏性貧血の程度を知る血液検査
子宮筋腫を手術無しで保存的に治療する場合には、
細胞診や組織診で、子宮頸部や子宮内膜に悪性の病気がないかを調べることがあります。
問診や視診・触診や画像診断にもとづいて行う診断
内診や画像診断によって、
- 卵巣腫瘍
- 子宮腺筋症
などの他のまぎらわしい病気との鑑別を行ないます。
最近では、子宮筋腫が疑われる場合、
超音波、CT、MRIなどの画像診断を優先的に行ないます。
次回、婦人科での子宮筋腫の治療に続きます。
大塚でした。^_^